2017.07.27

「1.01理論」について、もう少し詳しくお話ししましょう。

書道家の武田双雲さんが提唱する「1.01理論」についてさらに詳しいお話をお聞きし、さらにより前向きな人生を送るために知っておくべき脳の機能についても語っていただきました。

あなたも今日から実践できるヒントが満載です。




力は抜いても気は抜かない

COMMONS PAGE PRESSの誌面で「1.01理論」についてお話しましたが、もう少し詳しく紹介させてください。僕が日々実践し、周囲の人々にもお勧めしている理論です。

自分が普段やっているレベルを1だとします。
これを毎日繰り返していると、慣れから少しずつ生活の質が落ちて来てしまう、つまり0.99をかけ続けた生活です。

新しさがないとモチベーションも上がらないのが人間。安定路線で毎日満足していると、どんどん先細っていきますよ。

たった1%でいいので毎日、新しいことにチャレンジしていけば少しずつ変化が現れ、やがて大きな成果になると思うのです。

1日目は「1.01」、2日目は約「1.02」、3日目は約「1.03」となり、100日目で約「2.7」になります。
もちろん数式上の話ですが、小さな改善の積み重ねていくことが、人生に大きな変化をもたらしてくれることの証だと僕は考えています。

毎日縮こまって、「0.99」を掛け続けている人がいたら、もったいない!
ほんの少しだけ数字を上げられるよう意識してみましょう。


・昨日よりゆっくりと歯を磨く。
・朝食は「パンでいい」を「パンがいい」に変えてみる。
・コンビニの店員さんに「ありがとう!」と伝えてみる。
・メールの最後に添える感謝の言葉を少し長めにしてみる。

そのくらいなら誰でもできますよね。
その積み重ねが1年で人を変えられるのです。

僕は同じ書は二度と書きません。同じ言葉でも筆使いを少しだけ変えています。
小さな動きなので人は気付きませんが、僕のなかではハラハラ、ドキドキの連続です。

でもこのチャレンジを続けているからこそ、武田双雲の書はのびのびしていると評価していただけるのだと思っています。

「1.01理論」を実践するためのコツは、力を抜いて気を抜かないこと。
自律神経と交感神経がバランスよく保たれている状態をキープすることです。

僕は毎朝起きたときに、力は抜けているか、気は満ちているか、そして感謝の気持ちを忘れていないか、とゆっくりチェックしています。



「〜のに」という言葉は忘れよう!

いつもイライラしている人っていますよね。
そう人は負のオーラを周囲に発散してしまう。

いつも機嫌が悪い人ほどパソコンが故障しやすい。
書の不出来を筆のせいにしている人ほど筆が割れやすいのです。

小学校の頃、巨人が負けた翌日は機嫌が悪い先生がいることに驚かされました。
巨人に感情をコントロールされているのです。

株価で一喜一憂する人も不思議です。僕は自分の機嫌をアウトソーシングされたくはありません。

自分の機嫌は自分の所作でコントロールするしかない。
だから僕は周囲の空気には巻き込まれない自信があります。

イライラを解消するひとつの解決策は「〜のに」という言葉を消すことです。


・必死に頑張っているのに。
・親身に相談に乗ってあげたのに。
・用意しておいたのに。
・何度も注意したのに。

このように、「〜のに」が付く言葉を使い、イライラすることはありませんか?
 「〜のに」という言葉には自分がもっと評価されていいはず、正当な対価を得られていないという不満と不安が隠されています。

でも、頑張ることも、相談に乗るのも、注意するのも、誰かに評価されるためのものなのでしょうか。

イライラの原因を他人や周囲のせいにしてはいけません。
まず変わるべきなのは相手や周囲の反応ではなく、あなた自身の心のあり方なのです。

相手の言葉や行動を全て受け容れる必要はありません。
でも受け止めて吸収する努力はしましょう。

いいキャッチャーを目指せばいいのです。
どんなボールでも「ナイスボール!」と言って、いい音をさせて受け止める。
そして次のサインを出せばいいのです。



嘘のポジティブシンキングは危ない

僕は理系出身なので感情のメカニズムにとても興味があるのですが、人間の脳にはRAS効果(Reticular Activating System)という働きがあります。

周囲の情報を選別するフィルターのようなもので、興味や関心のあるものは積極的に意識の中に入れ、興味のないものは意識の中に入れないようにする機能で、明確な目標やビジョンを持つとRASが良く働くと言われています。

前向きな姿勢で興味を示せば情報はどんどん集まってくる。
意識を変えれば世界が変わってくるということではないでしょうか。

でも注意しなければいけないのは、嘘のポジティブシンキングは余計に危ないということ。
辛いときは辛くていい。本当は辛いのに、「辛くない!」と目を背けるとさらに辛くなります。

血が流れているのに「たいしたこと無い」と放置しておくようなもの。
怪我を認めて治療しましょう。

ネガティブになったときは無理して前向きに考えようとするより、まず所作を変えていくことです。
伸び伸びする方法を考えるより、とりあえず伸び伸びしてみましょう。

心は行動に左右されます。
剣道の達人は胴着を着る所作も美しいですよね。
ゆったりとした時間のなかで精神を整えているのです。

呼吸を深める、口角を5ミリ上げてみる、胸を張って肩を回してみる......、ゆっくりとした所作で感情を整えれば、前向きな思考になります。
情報が溢れて心の波動を整えるのが難しい時代だからこそ、所作を大事にしてください。

自分と会社、僕と君。一人称、二人称の二項対立で生きていると辛いものですよね。
もっと大きな円を描き、エネルギーの循環を考えるとのびのび生きられるのではないでしょうか。
自分を自然の一部ととらえる、日本人ならではの価値観は大事にしたいですよね。


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『三井のオフィス』双雲塾を開催!

武田双雲さんと一緒に書を書きながら、人生をよりポジティブにとらえる心のあり方、1.01理論の実践方法を学んでみませんか。
大切なのは「上手に書く」、ことではなく、「自分らしく書く」ことです。

テーマ

『三井のオフィス』双雲塾

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講演日時:2017年9月8日(金) 18時30分開演 20時30分終了予定
場所:コレド室町3 3F「橋楽亭」
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武田双雲
書道家
1975年熊本生まれ。3歳より書家である母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。東京理科大学理工学部卒業後、NTT東日本入社。約3年間の勤務を経て書道家として独立。音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、斬新な個展など、独自の創作活動で注目を集める。映画『春の雪』『北の零年』、NHK大河ドラマ『天地人』をはじめ、世界遺産「平泉」、 スーパーコンピュータ「京」、など、数多くの題字、ロゴを手がける。2013年には、文化庁より文化交流使の指名を受け、日本大使館主催の文化事業などに参加し、海外に向けて、日本文化の発信を続けている。書道教室「ふたばの森」主宰。約300名の門下生に指導を行なっている。

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