2016.01.14

JINSとKOKUYOの出会いから、オフィスの未来系が生まれました。

斬新なデザインと機能性、そして低価格で眼鏡業界に旋風を巻き起こしているJINSが、昨年転居した新しいオフィスは『Magnifying OPEN SPACE』がコンセプト。その自由な発想と働き易さから、オフィスの未来系として大いに注目され、日経ニューオフィス賞に輝きました。

設計・施工を手がけたのは 100年以上の歴史を誇るKOKUYO。「社員、そして会社のクリエイティビティーは空間から始まる」ことに着目し、新しいオフィス空間を創造した両社の担当者にお話を伺いました。

いま誰が何をしているのか、一目でわかるメリットは想像以上でした。

次々と革新の波を起こしているアイウエアブランド、JINS。そのJINS Global Head Officeが、2015年度 第28回日経ニューオフィス賞<経済産業大臣賞>に輝いた。
JR飯田橋駅前に昨年6月に竣工した飯田橋グラン・ブルーム。JINS Global Head Officeはその最上階フロアにある。

「ビル竣工に合わせてのオフィス入居でした。時を同じくして弊社のリブランディングも進めておりまして、新たなビジョン「Magnify Life(マグニファイ ライフ)」を定義したところだったんです。これはJINSが『メガネを通して人々の人生を豊かにする』ブランドであるという宣言でもあり、当然新しいオフィスもこのビジョンのもとデザインしました。」 と教えてくれたのは、マーケティング室で広報・PRを担当する池川志帆さん。

Meeting SPACE(ページ上部写真)
打合せの様子を伺えること自体が、刺激を与え合う、風通しの良いオフィスの象徴となっている。

フリーアドレスが基本で、社内スタッフ同士の打合せスペースもクリアなガラス張り。「OPEN SPACE(オープン・スペース)」がオフィスのコンセプトというだけあり、視線を遮るものがなく、スタッフ同士が自然とコラボレーションできる場となっている。
「意外なほどすぐに慣れてしまいました。いま誰が何をしているのか、一目でわかるメリットは想像以上でした。」 と同じくマーケティング室の青木健司さん。

竣工に合わせてのオフィスメイクだったので、かなりスケジュール的に厳しかった。それでも設計・施工を担当したKOKUYOの尽力もあり、日経ニューオフィス賞<経済産業大臣賞>受賞というサプライズまで得ることに。
「たとえば会議室のテーブルのマテリアルや、ファニチャー類のディティールにまでかなり細かいオーダーをさせていただきましたが、真摯に応えていただきました。KOKUYOさんにお願いしたからこそ、受賞にまでつながったのだと思います。」(池川志帆さん)

『攻めたな』、という印象が強く残っている案件です。

KOKUYOでJINS Global Head Officeを担当したチーフデザイナーの佐藤航さんによれば、かなりチャレンジングな施工だったとのこと。
「Magnify Life具現のためのOPEN SPACEコンセプトには、かなり悩んだ部分もあります。例えば窓際に設けたレクチャーホールをイメージした空間など、既存のオフィスには無いものです。セクションを越え、思い立ったら即議論が可能な空間という想定ですが、すぐに『サル山』との愛称を得て好評のようです。攻めたな、という印象が強く残っている案件です。」

オープンな議論も社員が共有できる『サル山』
レクチャーホールをイメージした空間は、オープンな議論がしやすい。座る位置の高さを変えることで、自然と気分転換も図れる。
jins-kokuyoビルの竣工に合わせての施工だったため、かなり融通の利いた部分もあったとか。「私どもコクヨ株式会社で、オフィス設計・施工を手がけるファニチャー事業本部の拠点は霞が関ビルディングで、JINSさんの飯田橋グラン・ブルームとともに三井不動産物件ですから、その辺の意思疎通と言いますかコミュニケーションもスムーズでした。躯体に関する要望にも、かなり柔軟に対応いただけました。」とプロジェクトマネージャーの堺浩臣さん。

徹底したOPEN SPACE化により、オフィス環境のみではなく、オフィスワークの未来をも明示しているかのようなJINS Global Head Office。日本における高層ビルの先駆けだった霞が関ビルディングの一室で練られたアイデアが、竣工されたばかりのビルの一室で、かくも美しく結実した。そのリレーションもまた三井不動産クオリティなのだと、人生をも拡張させる近未来のオフィスは教えてくれている。

Cafe SPACE
13mのテーブルが印象的な部屋は、ランチやリフレッシュだけでなく、夜は美しい夜景を眺めながらのバースペースにもなる。
jins-kokuyo株式会社ジェイアイエヌ
2001年に「JINS」を立ち上げアイウエア事業に参入。独自の研究開発SPA方式で「JINS SCREEN」「JINS MEME」など、新たな市場を創造。現在国内に292店舗を展開している。

コクヨ株式会社
和帳の表紙製造業として1905年に創業。「国(富山県)の誉れとなる。」との想いから社名を「国誉」とした。
(写真左)左から株式会社 ジェイアイエヌ(JIN CO., LTD.)マーケティング室の青木健司さん、池川志帆さん、岡田真里奈さん。店舗従業員の平均年齢が約27歳。JINS Global Head Office勤務の平均年齢は約28歳とのこと。その若さも、JINSの特徴である。(写真右)左からコクヨ株式会社ファニチャー事業部の宮澤織江さん、佐藤航さん、堺浩臣さん。佐藤チーフデザイナーを宮澤デザイナーがサポート。堺プロジェクトマネージャーがJINSとの折衝のまとめ役に。オフィス設計・施工に定評あるKOKUYOとしても異例づくしの現場だったという。
※ 本記事は、「COMMONS PAGE」のタブロイド版フリーペーパー「COMMONS PAGE press Vol.2」から、「COMMUNICATION」を転載したものです。

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