2021.03.12

チームの生産性を最大化する
国内営業の「センターオフィス」を開設

『三井のオフィス』には様々なこだわりを持った素敵なオフィスがたくさん入居されています。
本コラムでは、オフィスの活用や価値を見つめなおす機会が増えた今、ほかの企業の皆さんがどんなオフィスで働いているかを知ることができる、そんな機会を提供していきます。
第2回目となります今回は、豊洲ベイサイドクロスタワーの富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社様のオフィスにお伺いいたしました!

富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社は、2020年11月、国内営業拠点としてフラッグシップになる「センターオフィス」を東京・豊洲に開設。12月には、同拠点内に体験型ショウルーム「Bridge for Innovation」をオープンしています。「いつでも、どこでも、誰とでも」という働き方をコンセプトに、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが営業関連部門で進めてきた働き方変革と、その集大成となるオフィスづくりについて教えていただきました。

※インタビューはマスクを着用して実施しております。写真撮影のみ、マスクを外しております。

  • □職種や部門を超えた360°コミュニケーション
  • □「チーム単位でのABW」を促す空間づくりへの工夫
  • □誰にでも好まれる落ち着いたデザインを重視
  • □コロナでも変わらないオフィスコンセプト
  • □取材を終えて~「& Life-Biz編集部」の発見ポイント~

職種や部門を超えた360°コミュニケーション

新オフィスに所属するのは、国内を担当している営業、SE、スタッフ等約2500名。その人数を集約可能で、アクセス至便かつ最新のBCP対策がとられた「豊洲ベイサイドクロスタワー」を移転先として選びました。
入居フロアは17~22階。1フロア約3,300㎡(約1,000坪)の広さを活かした自由度の高い設計で、17階はショウルーム、18階はライブオフィスとして内階段でつなぎ、お客様がシームレスに見学できるようにしました。18・20~22階を営業・SEオフィス、19階を本部スタッフオフィスとして、所属チームごとにゆるく集まる場をつくりながらも、職種や部門で専用エリアは置かず、垣根のない360°コミュニケーションを促しています。

オフィスの構想に携わった営業計画部の関 昌央さんは、「グループの複数の拠点を集約した移転でしたが、今回フォーカスしたのは人が集まることではなく、情報や知恵が集まることです」とポイントを話します。新オフィスの位置づけは「センターオフィス」。富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが「いつでも、どこでも、誰とでも」働けるよう全国にさまざまな形態のオフィスを拡充する中、それらをITでつなぎ、バーチャルな「大部屋」と見立てたときに核となるオフィスです。

「背景には、2009年から当社が進めてきていた営業プロセス改革や働き方変革があります。大きな目的は国内営業の生産性向上で、付帯業務を減らしながら、お客様との商談やフォローなど価値を生む時間をつくりだしていくこと。その一環である今回のオフィス移転も、営業・SE・スタッフがチーム単位で効率よく働ける空間づくりがミッションでした」と関さんは話します。

「チーム単位でのABW」を促す空間づくりへの工夫

実際の空間設計では、Activity Based Working(ABW/仕事の内容に応じて働く場所を選択する働き方)の考え方を導入。18階以上のフロアレイアウトは各階でほぼ共通しており、主にはネイバーフッドと呼ぶ執務エリア、チームでの打ち合わせなどに適したコラボエリアで構成しています。各階には、会話・TEL禁止の集中スペースや、大小さまざまな会議室、リフレッシュ用のラウンジを配備。18階には、最大200名が集まれる広いカフェもあり、社員はその時々の業務に合わせて社内を自由に移動して働きます。

「私たちの仕事はチームプレイで成り立つ中、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンらしい『チーム単位でのABW』を考え、状況に合わせた自由なコミュニケーションを大切にできるようにしました」と話す関さんの言葉通り、ネイバーフッドはチームが「なんとなく」集まって情報共有できるようなリビングテイストな雰囲気。オープンデスクのほか、ファミリーレストランのボックス席のように落ち着きのある「ファミレスブース」や、モニタを一緒に見ながら作業できる「Duoソファ」などが設置されます。
「実は会議室の数は、拠点を集約する以前より減らしているんです。二人だけの短い打ち合わせで、わざわざ時間を決めて会議室を予約してというのはムダが大きもの。それよりは、相手の様子を見ながら『ちょっといいですか?』と声をかけ、さっと話せるスペースを充実させました」と関さん。

圧巻なのは、コラボエリアにある55インチ×8画面の大型モニタ。主要拠点間を常時接続することで、あたかもお互いが同じ空間にいるような感覚を持てます。「部署によっては、この大型モニタを介してリモートワーク中の社員を含めた朝礼を行っています。バーチャルとリアルの差がどんどん縮まってきているのを感じますね」と関さんは手応えを語ります。

誰にでも好まれる落ち着いたデザインを重視

今回のオフィスづくりに先がけ、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンでは若手社員によるタスクチームを立ち上げ、「今後どのように働きたいのか」「そのためにどんなオフィスが必要か」を徹底して議論。加えて、全国の拠点で働き方に関するアンケートを実施し、それらを組み合わせて実際のプランに落とし込んでいったそう。
「例えば、コロナ収束後にカフェで予定している『ちょい飲み』提供はタスクチームからの提案によるものです。上司と飲む機会は大切にしたいけれど、終電まで付き合うのは勘弁してほしい!というのが若手の声で、20時閉店の社内カフェであればコミュニケーションの場としてちょうどいいとのこと。社員同士だけでなく、来社されたお客様との気軽な会食にも活用していければと考えています」と関さんは笑います。

※現在は新型コロナウイルス感染防止の観点から、夜間の営業/酒類の提供は行っておりません。

2020年12月には、17階に体験型ショウルーム「Bridge for Innovation」をオープン。お客様は富士フイルムビジネスイノベーションの製品・ソリューションを体験したのち、18階のライブオフィス見学へ。これに対し関さんは、「ショウルームと実践の場を合わせてご紹介できるのが強みだと思います。実際にペーパーレスなオフィスで私たちが働いているのをご覧になると、お客様自身が『うちの会社とは何が違うのか』と課題を認識されるようです。では何が必要なのか、という視点から営業とお客様との会話が広がっていきます」と話します。

社内でさまざま検討し、結果としてクセのない落ち着いたしつらえとしたのも正解だったと関さんは感じています。「最初はユニークな意見も挙がったのですが、議論しているうちに一周回って現在の形となりました。いわば『普通のいいオフィス』だからこそ、見学に来たお客様も参考にしていただきやすいのではと思っています」と自負を語ります。

コロナでも変わらないオフィスコンセプト

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で開設された今回のオフィス。富士フイルムビジネスイノベーションジャパンは、サーマルカメラや飛沫防止パネルの設置などで対策をとります。また、QRコードを使った在席位置確認システムは濃厚接触者のトラッキングを可能に。ビルの換気能力が、厚生労働省の通知を満たしていることも安心材料となっています。
さらに富士フイルムビジネスイノベーションジャパンでは、障がい者雇用への対応として会議室には自動オープンのドアを採用。常時開放でバリアフリー化を進めたことが、結果としてコロナ対策にも有利に働きました。

「実際のところ、コロナのためにオフィスコンセプトを大きく変更したというのは全くないのです。営業プロセス革新・働き方変革のためにリモートワークの推進は以前から変わりませんし、電子化を進めてオフィスでなければできない仕事は極力減らしてきました。そのためにコロナ禍でも大きな混乱がなく働けています」と関さんは明言。
一方で、「リモートワークが進むからオフィスをやめる」という発想も富士フイルムビジネスイノベーションジャパンにはないとのこと。「IT機器が充実した中で効率的に働いたり、チームでのリアルコミュニケーションやお客様との共創のために、やはりオフィス環境は整えておく必要があります。これはBefore・With・Afterコロナでも不変です」と話します。

最後に「今後オフィス活用で注力したいことは?」とたずねると、「この豊洲のオフィスはフラッグシップオフィスであり、ここで蓄積したノウハウを活かし、新しい働き方を全国の拠点に順次展開していきたいと思っています。駅ナカ個室スペース(CocoDesk)やグループ会社のサテライトオフィスなども活用しながら、社員が働きやすく、お客様へのレスポンスを向上できる環境を整えていきたいですね」と話してくれました。

取材を終えて~「& Life-Biz編集部」の発見ポイント~

社員のみなさんは、出社するとまず個人ロッカーから社内用のモバイルバッグを取り出し、その中にPCと必要な所持品を入れると、あとは一日オフィスを自由に移動して仕事をされるとのこと。とにかく身軽な働き方が魅力的です。こうしたABW環境が成り立つ背景には、紙と電子文書をクラウドで一元管理する「DocuWorks」や、社内のどの複合機からでもプリントできる「どこでもプリント」など自社ソリューションの活用があると伺い、非常に納得でした。

Company Profile

富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社/働き方改革を支援する価値提供戦略のもと、独自のAI技術やIoTを活用したさまざまなソリューション&サービスを展開。2019年11月、富士フイルムホールディングスの100%子会社に。2021年4月からは「富士ゼロックス株式会社」より「富士フイルムビジネスイノベーション株式会社」に社名を変更。さらに2021年4月1日付で、富士ゼロックスの国内営業部門と国内の全販売会社31社、ならびに富士ゼロックスインターフィールドを統合し、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の国内営業を担う、新会社「富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社」を設立。

Today's Speaker

富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社
関 昌央さん

【お問合せ先】
三井不動産ビルマネジメント株式会社
ビジネスソリューション事業推進本部 担当:星野・角舘
メール:event@mfbm.co.jp

※本サイトのサービス名称は、2023年3月31日より「&BIZ」へ名称変更いたしました。

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