2023.04.18

三井不動産 ESGの取り組みレポート

ESGとは?

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉です。2006年、当時の国連事務総長が発表した「責任投資原則(PRI)」の中で、投資判断の新たな観点として紹介されました。環境問題や人権問題などが世界的な社会問題として課題となっている中で、企業に対してこのESG問題に配慮した取り組みを行うことがより強く求められるようになり、ESG問題に配慮した経営を推進することが、企業の長期的な成長に大きく影響すると考えられています。

ESGが重要視されている背景

投資家は、短期的なリターンの追求により世界的な金融危機を起こした反省などから、投資先の評価基準を見直し、より長期的なリスク要因を評価するようになってきました。責任投資原則(PRI)がESG要因を投資決定の戦略および慣行と定義したことにより、その意識はさらに高まっています。

具体的な要因としては下記が挙げられます。
➀マテリアリティ(重要性)
ESG要因がリスクとリターンの決定において重要な役割を果たすという認識の高まり。
②市場の需要
自己の資金がどのように、どこへ投資されているのか。その透明性の向上を求める受益者や投資家からの要求増大。
③規制
ESG要因の組み込みを受託者責任の中に含める規制ガイダンスの水準上昇。

責任投資原則(PRI)は下記の6つの原則を順守することで、持続可能な国際金融システムの達成に尽力しています。

参考:責任投資原則 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)と 国連グローバル・コンパクトと連携した投資家イニシアティブ https://www.unpri.org/download?ac=10971

三井不動産グループのESG課題への取り組み方針

GROUP STATEMENT
都市に豊かさと潤いを
GROUP VISION
私たちはどうありたいか

・・・進化と価値創造
・・・成長性と収益性に富んだ三井不動産グループ

GROUP MISSION
私たちに今求められていること

・・・ビジネスとくらしに関するソリューションとサービスの提供
・・・グローバルな視野で顧客のパートナーへ
・・・企業価値の向上
・・・個の力を高め結集してグループの力へ

&EARTHの理念
人と地球がともに豊かになる社会を目指して

三井不動産グループでは、グループのロゴマークに象徴される「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、グループビジョンに「&EARTH」を掲げ、社会・経済の発展と地球環境の保全に貢献しています。「&EARTH」は、三井不動産グループの街づくりが常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会をめざしていることを表しています。

取り組み指標と目標および達成状況

三井不動産のエネルギー使用量・水使用量・廃棄物量(2018~2020年)

詳細は三井不動産「ESG Report2021」をご覧ください。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/report/index.html

テナント(ビルの入居者)としてできる、身近な取り組み

三井不動産のビル事業が取り組んでいる
エネルギー消費・水消費・廃棄物排出について

【エネルギーに対する取り組み方針】

グループ環境方針に基づき、エネルギー消費や温室効果ガスの排出が少ない建物や街づくりを推進するとともに、省エネルギー活動などの地球温暖化対策を進め、脱炭素社会の形成をめざします。
【主な取り組み】

省エネ・創エネ・畜エネ

省エネに加え、太陽光発電やコジェネレーションシステムなどの創エネ、大型蓄電池による蓄エネなどにも積極的に取り組み、エネルギー消費と温室効果ガスの排出が少ない建物・街づくりを進めています。
ーオフィスビルでの取り組み例ー
「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)では、熱負荷を低減する外装や高性能ガラスの採用、昼光を利用した照明の制御などの省エネ設備や高効率設備機器の採用などのほか、太陽光発電設備(発電能力約20kw)を設置して創エネも行っています。また、地域冷暖房(DHC)のサブプラントを新たに設置し、日比谷エリアにある既存のDHC プラントと連携することで、地区全体で高効率なエネルギー供給を実現しています。

【水に対する取り組み方針】

グループ環境方針に基づき、水の有効利用や地下水涵養などの水環境の保全に配慮した建物・街づくりを進めるとともに、節水や水資源の有効利用に努め、水環境を保全します。
【主な取り組み】

節水

新築建物に節水型機器を導入するとともに、既存建物についてもリニューアル時などに節水型機器への切り替えを進めています。
ーオフィスビルでの取り組み例ー
「東京ミッドタウン」(東京都港区)では、節水型の衛生機器や自動混合水洗式洗面台などを導入し、節水を図っています。

雨水・中水利用

雨水や排水を処理した中水の利用など、水資源の有効利用に努めています。
ーオフィスビルでの取り組み例ー
「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)では、雨水利用槽(貯水量約400m³)に雨水や空調機器のドレン水を貯め、処理したのちトイレ洗浄水などの雑用水として利用しています。また、厨房排水や雑排水および冷却塔ブロー水を処理した中水も同様に雑用水として利用しています。 ※ドレン水:空調機の気化式加湿器余剰排水および冷却配管で冷却され凝縮した水分のこと。

雨水 の地下還元、雨水流出防止

外構部や歩道、場内道路、駐車場などに透水性舗装などを採用し、雨水 の地下還元に努めています。また、雨水 が一気に流出しないよう一時貯留施設や調整池を設置し、地下水涵養や洪水の防止を図っています。

【廃棄物に対する取り組み方針】

グループ環境方針に基づき、廃棄物削減に努め、循環型社会の形成を目指します。また、リユース、リサイクルができなかった廃棄物については適正に処理し、廃棄物による環境への影響防止を図ります。
【主な取り組み】

建物の長寿命化・旧耐震基準物件の再生

オフィスビルやマンション(分譲、賃貸)、戸建住宅(分譲、注文)においては、耐震性や耐久性、耐火性などを高めるとともに、配管などの設備の維持管理や更新が容易に行えるように設計するなど、建物の長寿命化を図っています。建物の寿命を延ばし長く使えるようにすることにより、省資源化や廃棄物の削減などに寄与しています。

3Rの取り組み

省資源・廃棄物削減を図るため、共同事業者やテナント企業様とともに、3R(リデュース、リユース、リサイクル)に取り組むとともに、建物の長寿命化にも取り組んでいます。また、廃棄物を適正に処理しています。

【リデュース】廃棄物の発生抑制(リデュース)を図るため、従量課金制度の導入や使い捨て製品の使用抑制に努めています。

【リユース】省資源や廃棄物の削減を図るため、使い捨てをせず繰り返し使用するリユースにも努めています。

【リサイクル】飲食店と協力し、飲食店などから排出される生ごみをリサイクルし、肥料や家畜の飼料、バイオマスエネルギー(発電、ガス化)などとして再生利用しています。また、オフィスビルでは、使用済みタイルカーペットを回収して環境対応型タイルカーペットに再生したり、古紙を回収しOA紙やトイレットペーパーに再生するなど、独自のリサイクル・システムを構築しています。

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