
2022.03.25
社員の自由度を高め、グループの新しい未来を築くTIS豊洲オフィス
総合ITサービス企業であるTIS株式会社は、2021年に新たな基幹オフィスを東京・豊洲に開設。TISインテックグループのミッションである「ムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りを」を実現する環境づくりを目指し、2018年からプロジェクトチームを立ち上げ、取り組んできました。その中心を担った総務部の高橋 和宏さんに、新オフィスでの働き方やプロジェクト推進の工夫などについてお話を伺いました。
- □業務内容に合わせてオフィスを自由に回遊して働く
- □社員間のコミュニケーションを深める空間づくり
- □豊洲というエリアの魅力をデザインに反映
- □グッドポイントを共有し、オフィスの新たな価値を発信
- □取材を終えて~「& Life-Biz編集部」の発見ポイント~

業務内容に合わせてオフィスを自由に回遊して働く
TISインテックグループが入居するのは豊洲ベイサイドクロスタワーの16階、および23~32階の合計11フロア。TIS豊洲オフィスには、主に西新宿オフィスから移動した約3,500名が所属します。本社機能を担う西新宿オフィスに対し、事業機能を担うのが豊洲オフィスという位置づけです。
同社の総合受付は23階。独創的なデザインの33の会議室とともに、同フロアにはグループの先進技術が詰まった5Gショーケースが設置され、高速通信技術と親和性があるソリューションを体験できます。受付や会議室へのアテンド、ドリンクデリバリーにロボットが活躍するのも総合ITサービス企業のTISならでは。
社員は出社すると、27~32階の執務フロアへ。約1,000坪ある各フロアは内部階段によってつながり合います。高橋さんは「コの字型のビル構造に沿ってメイン動線を置き、その周囲にミーティング席や共用備品・情報を集約したクロスポイントなどを設定しています」とフロアの基本ゾーニングを話します。一方、内部階段周辺にはフロアごとに異なる特徴を持ったコラボレーションエリアを配置。活発に議論したり、新しい気づきに出会ったり、アイディアを発信したりなど、目的に合わせて空間を選べるようになっています。
各階には、豊洲の眺望を楽しみながら仕事ができる窓際席や、会話・食事禁止のフォーカスエリア、周囲を気にせず電話ができるフォンブース、面談での使用を想定した1on1ブースなども整備されます。「個室以外は予約不要とし、ちらっと覗いて空いていれば使うという気軽さを大事にしました。社員はその日の業務や気分に合わせて自由にフロアを回遊して働きます」と高橋さん。
ランチタイムに多くの社員が足を運ぶ29階のグループ共用レストランは、社員同士の偶発的な出会いの場に。夕方にはバーもオープンし、「仕事上がりにちょっと一杯」という気軽なコミュニケーションに活用されています。(2022年3月現在、パブは感染拡大防止のため一時閉鎖中)

社員間のコミュニケーションを深める空間づくり
TISで、新しいオフィスのあり方を考えるプロジェクトが始まったのは2017年。「ムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りを」というグループのミッション実現に向けて全員がベクトルを合わせていくために、働き方を見直す機運が高まっていました。「オフィスという『環境』を変えることで、社員が『行動』を変え、『意識』が変わります。これら3つが作用し合い、良い循環を生み出していくことを目指しました」と高橋さんはプロジェクトの目的を語ります。
旧オフィスは昔ながらの構造で、基本的には全員が自席で作業し、必要に応じて会議室を使っていたとのこと。「社内を大きく移動することもないので、フロアが違う社員とはほとんど顔を合わせる機会がありませんでした。『もっとコミュニケーションが深まるオフィスを』というのが当時の社長肝いりの命題であり、フロア間の流動性を高める内部階段と、社員が顔を合わせるレストランの設置は当初から予定していました」
また同じく、高橋さんたちが経営トップから受けた指示が「若手の声をどんどん活かしていくように」です。2018年には、高橋さんを座長に若手社員による検討委員会が設置され、どんなオフィスで働きたいのかについて議論を深めました。
「さまざまなオフィス見学も行いましたが、その時々に合わせて自分で働く場所を選びたいという声が多く、ABW※導入の希望は初期から強かったですね」と高橋さんは振り返ります。自席か会議室か多目的エリアかという狭い分類ではなく、仕事に最適な環境を選べるようにすることで生産性向上を狙いました。
※Activity Based Workingの略。仕事の内容に応じて最も効率的に仕事を行うことができる場所を選択して働くこと。

豊洲というエリアの魅力をデザインに反映
TISが豊洲を新オフィスに選んだ大きな理由のひとつが、BCPの観点でした。「大災害などに備え、従来の西新宿オフィスとは別に、東京の東側にもうひとつの主要拠点を持ちたいという思いがありました。豊洲は周辺エリアに比べて海抜が高く、非常時にも変電所が近いというメリットがあります。さらに、豊洲ベイサイドクロスタワーにはエネルギーセンターが設置され、もし電気の供給が止まっても、ガス発電により事業を継続できる点に注目しました」と高橋さん。
それでも当初は、東日本大震災の経験から湾岸部にマイナスイメージを持っていた社員も。豊洲というエリアの魅力を周知する必要性を感じ、高橋さんたちプロジェクトチームが発刊したのがオフィス報『T×T(Toyosu × TIS)』です。「周辺環境やオフィスレイアウト・CGを掲載してイメージを伝えるほか、当時の社長にも豊洲への想いを動画で語ってもらいました。新オフィス開設を楽しみに感じてもらえるようさまざまな工夫を凝らすことで、移転に向けた機運が徐々に高まっていったと思います」
完成したオフィスには、豊洲という立地を意識したデザインが随所に見られます。 デザインコンセプトは「×PORT (クロスポート)」。海や港を想起させる床・壁の色使い、家具・照明などにより、社内にはオフィスというよりカジュアルなカフェの雰囲気が漂います。グリーンや木目が多く取り入れられるのも特徴的です。
設計デザインには三井デザインテック株式会社が参画し、コンセプトづくりから関わりました。「打ち合わせでイメージを話し合うと、次回にはそれを絵やモックに落として持ってきてくれたりして、具現化がスムーズに進みました。素材や家具選びでもいろいろ提案をいただき、それをもとに近郊の家具メーカーを片っ端から回りました」と高橋さんは笑顔を見せます。

グッドポイントを共有し、オフィスの新たな価値を発信
豊洲オフィスの開設により、社員の柔軟な働き方は加速したと高橋さんは感じています。「部署によって西新宿オフィス、豊洲オフィスなど一応の所属先は決まっていますが、基本的にはその日の仕事内容に合わせて、どちらに出社するのも自由です。または、出社せず在宅で働くという選択肢もあります」。
もともとTISでは、日数の上限がないテレワーク勤務制度を運用。テレワーカー社員が現在全体の4割を超えています。
「一方で、対面でしかできないコミュニケーションも当然あります。帰属意識やエンゲージメントという点でオフィスは重要な役割を担っており、これからも不可欠な存在であることには変わりありません。総務部としてオフィスの良さは今後もしっかりと発信していきたいです」と高橋さんは姿勢を示します。
移転後、「グループシナジーが高まった」と感じる人が増えたのは、オフィスという物理的な空間がもたらしたひとつの変化と考えられます。今回の移転ではTISインテックグループのオフィスを集約しており、24~26階にはグループ会社の株式会社インテックが入居。「事業部門の社員からは、同じビル内にいることで連携がとりやすくなったという声がよく聞かれます」と高橋さん。
現在、TISではオフィス改善アンケートや個別ヒアリングを実施中。「社員が感じるオフィスのグッドポイントは特に重視しており、『こういう使い方をしてみてすごく良かった』といった成功事例を幅広く社員に共有していければと思っています。また、コロナ禍の現在はなかなか大勢で集まる機会が持ちにくいですが、収束後にはレストランなどでのグループイベントも積極的に企画していきたいですね」と展望を話してくれました。

取材を終えて~「& Life-Biz編集部」の発見ポイント~
各フロアにあるコラボレーションエリアは、デザインの多彩さが印象的でした。個性的な赤いカーペットのスタジアム風の空間があれば、緑に囲まれてリラックスできる空間、黄色をベースにシャープな雰囲気でまとめた空間も。違いが際立つからこそ、「今日はこういう活動をするから○階に行こう」と社員のみなさんの階を超えた移動が進むのかもしれません。グループ共用フロアの29階のコラボレーションエリアには卓球台も発見! チャレンジだったと話す高橋さんですが、現在毎日のように活用され、会社を超えたグループ間の交流の場となっているそうです。

Company Profile
TIS株式会社/50年以上にわたり、金融・製造・流通・サービス・公共・通信など幅広い業界で、3,000社を超える顧客の事業成長に貢献してきた総合ITサービス企業。キャッシュレス決済のシステム開発に強みを持つほか、近年はヘルスケアやAI、エネルギー分野などにも注力し、豊かな暮らしを実現する社会基盤をITで支える。
https://www.tis.co.jp/

Today's Speaker
TIS株式会社
管理本部 総務部副部長
高橋 和宏さん
設計デザイン担当:三井デザインテック株式会社
オフィスやホテルなどの施設空間・内装のコンサルティング、企画、デザイン設計、施工、住まいや医院のリフォーム事業の他、インテリア販売を含む多彩なインテリアサービスなどを展開。
https://www.mitsui-designtec.co.jp
https://www.instagram.com/mitsui_designtec/
※インタビューはマスクを着用して実施しております。写真撮影のみ、マスクを外しております。
※本サイトのサービス名称は、2023年3月31日より「&BIZ」へ名称変更いたしました。
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