2023.02.20

「介護セミナー 認知症入門
~支える人に知っておいて欲しいこと~」開催レポート

日本は超高齢社会に突入し、「年金、医療、介護といった社会保障制度は今後どうなるのか」「将来自分や家族に介護が必要となったら」など、不安を抱く方も多いのではないでしょうか。また65歳以上の4人に1人以上が認知症または認知症予備軍と言われています。

誰にとっても他人事ではない「認知症のこと」。少し話しづらいと感じる方もいるかもしれませんが、認知症を正しく理解することで過度な不安や心配を減らして、自分も親も適切なサポートを受けられるようになります。

そこで、&Bizでは2022年8月のセミナー開催後アンケートでご要望を多くいただいた「認知症」に注目し、今回のセミナーでは「認知症入門~支える人に知っておいて欲しいこと~」というテーマで三井不動産 ケアデザイン室 ケアマネジャーの渡邉幸子よりお話しさせていただきました。

今回のセミナーでは、もしかして...といま不安に感じている方やすでに認知症の親御さんを介護している方へ認知症の基礎知識や支える人に役立つ情報・ポイントを実際の介護事例を挙げてお伝えいたしました。

認知症を正しく知ることが認知症の親を支えるための第一歩です。
認知症はさまざまな原因によって脳の神経細胞の働きが低下し、記憶障害(もの忘れ)や見当識障害(日時や場所、人が分からなくなる)によって日常生活に支障をきたしている状態です。原因のなかでも特に多いとされる「アルツハイマー型認知症」「脳血管型認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」の主な症状と特徴について説明しました。

認知症かもしれないと考えてから受診するまでの期間は約10カ月と言われています。本人や家族が認められない、どこに受診したらよいかわからないなどの理由からなかなか受診につながらない現状があります。そこで、地域に住む高齢者や家族が認知症や介護に関する相談ができる「地域包括支援センター」や混乱の大きい認知症の初期対応をサポートしてくれる「認知症初期集中支援チーム」などをご案内しました。家族だけで頑張らずに周囲の力や社会資源を活用して支えていくことが大切です。
また、認知症の親御さんへの接し方については「伝わるように話す」「その人の世界に合わせる」など、認知症の方がいまこの場にいて良いのだと思えるように『疎外感を感じさせない』ことが重要だとお話ししました。

そして、介護生活に欠かせない介護保険制度の利用までの流れや26種類54あるサービスの中で、よく利用される訪問介護や通所介護(デイサービス)、小規模多機能型居宅介護サービスについて説明。また、無理して在宅介護を続けずに施設入所を選択することも介護のひとつであることをお伝えしました。認知症は人それぞれ症状や進行のスピードが異なります。親御さんや介護する人の生活スタイルに合わせて生活支援サービスや機器、自治体のサポートなども組み合わせて活用することをおすすめしました。
さらに、認知症予防のポイントや活用できるツールをご紹介。認知症の予防は、すでに認知症になった方にも効果的なため、ご本人や家族に合った予防法を無理なく、楽しむことが長く続けるコツです。

最後に支える皆さんへのメッセージとして、自分の身体や心の声を無視せずに休息や自分が楽しむ時間を確保して欲しいこと。ひとりで抱え込まず「人・モノ・場所・周囲の力」を借りて、一方が我慢して無理するのではなく、お互いがほどほどに我慢して、ほどほどに満足できるよう親も自分も責めずに一緒に支えていきましょうとお話ししました。

三井不動産ケアデザインでは、高齢期の暮らしにかかわる幅広い相談に対して、ケアマネジャー等の資格を有する専門スタッフによるコンサルティングサービスをご提供しております。お気軽にお問い合わせください。
オフィシャルWebサイト:https://www.care-design.net/index.html

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2023年夏頃に次回介護セミナーを開催予定です。
詳細は決定次第お知らせいたします。

※本コラムは2023年1月18日時点の情報です。

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